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決算特別委員会

決算特別委員会 教育委員会

No.3

小児神経科医の協力など障害児医療ケア体制の充実を

●文部科学省の調査研究協力者会議が公表した「中間まとめ」の今後の特別支援教育のあり方について尋ねる。この「中間まとめ」は障害児教育のあり方を大きく変えるものになる。今後、どのようなテンポでとり組まれていくのか答弁を。
 また文部科学省の研究指定校として、京都市がとり組んできた総合性・地域性養護学校の研究が「中間まとめ」にずいぶんと盛り込まれているように思う。個別の指導計画、地域性としての障害児教育のセンター的役割など。例えば特別支援教育コーディネーターをおくことや医療・福祉の連携、保育園や幼稚園の連携、教育者の専門性など、本当に膨大な計画である。具体的どうとりくんでいくのか。
(→答弁・生田指導部担当部長)国の施策は今後確定する。基本的にはこれまでの制度を大きく転換するもの。ニーズを図って進めていくとの観点で取り組まれると考える。市教委としてH11年、養護プロジェクトをうけ進めている。子どもたちの障害を的確に把握して国へ働きかけてきたところ。私たちの取り組みを進めるうえで追い風になる。よりいっそうのとり組みを充実していきたい。
●追い風と答弁されたが、中間まとめを積極的に進める立場と理解した。特別支援学校制度(仮称)について、『障害種のみを受け入れる盲・聾・養護学校の制度から、地域の実情におうじて障害のある児童生徒に対する教育的支援を充実することが柔軟にできるように、各自治体において弾力的に判断することになる』とある。府立の盲・聾の学校との関係は今後どうなっていくのか。市教委の方針として盲・聾学校との関わりには触れられていない。文面からは結局、自治体任せになり、全国的に差がでてくるのではないかと懸念する。京都市教育委員会として、検討は進んでいるのか。
(→答弁・生田)肢体不自由、発達遅滞について4校で進める。現在のところ盲・聾学校含んでいない。
●京都市特別支援教育専門家会議が、H14年6月25日、9月27日おこなわれたが、小児神経科医がメンバーに入っていないのはなぜか。意見を聞く必要がある。中間まとめには加えて特殊学級の廃止もにらんでいると言われており、心配している、普通教育に障害児が入るということもあり、転換が迫られるがいかがか。
(→答弁・生田)「中間まとめ」だが、主要なものは京都市は先行してやっているものばかり。国の制度変更あればそのつど変えていきたい。小児精神科医の専門的意見はうかがっている。養護育成学級についてだが、LD(学習障害)、ADHD(注意散漫多動性障害)の子どもたちが普通に在籍していることもあり、注視していきたい。

●小児神経科医をぜひメンバーにいれるべき。H14年10月15日付日本小児神経学会が学校教育における「医療的ケア」のあり方についての見解と提言を出されている。日常的に医療的対応を必要としながら在宅で生活する障害児が増加していると言われている。注入食、痰の吸引、排尿介助など医療的ケアを必要とする児童・生徒はどれくらいいるのか。全国の調査(H13)では14.7%にのぼっている。4つのエリアに別れたときの状況はどうなるか把握しているか。
(答弁→生田)呉竹養護学校は肢体不自由の子どもを受け入れているが、障害が重度化しているのが事実。3つ以上の障害を併せ持つ子どもが6割にのぼる。すでに20から30人ケアを必要とする子がいる。4校への移行後の対応は、呉竹に看護士を配置したのと同様に進めていきたい。
●呉竹の肢体不自由の子ども20〜30人が4校に別れても、看護士がつくと理解してよいのか。京都市は他に比べて支援は進んでいるが、提言には専門医がかかわること看護士は必ず必要、そして担任がどう関わるかが重要であるともかかれている。呉竹では保健室でケアしているときくが、今後さらなる検討を。
 また再編にむけての既存学校の改修について、文教委員会で主に来年度に実施していくとのような答弁があったが、東養護のバリアフリー化等の計画は進んでいるのか。
(答弁→生田)H16年4月にむけ、いろいろな課題があり、協議しているところ。ケアできるように4校の体制づくり、職員の研修など進める。東養護は来年度に集中的に整備していく。
●東養護は斜面にある学校。バリアフリーが求められている。医療ケアは4校に分かれたあと、充分に対応できるように小児精神科医の援助を受けられるように。「中間まとめ」にあるような大規模な改革がおこなわれると職員の力量が問われるが。
(答弁→生田)H4年に永松で研究に着手。LD、アスペルガア症候群など重複して障害を抱える子どもたちの教育をどう進めるのか研究してきた。特別支援教育専門家会議を設け各学校での個々の教師、組織として何を取り組むのか研究し、何を支援できるのか検討してる。
●中間まとめでは、まだADHDの定義はまだだが、LDは確立され進んでいる。LD、ADHD、高機能自閉症は児童生徒数の6%程度とある。重複する子どももいるということで総合的に対応するのはよいが、個別的対応が必要であり、効率的にはいかないところもある。6%を把握しているか。
(答弁→生田)中間まとめの「6%」との数字は医師の判断にもとづく数字ではなく、担任がそう受けとめたという数字。そういう意味でMAXの値だ。
●京都市特別支援教育専門家会議の予定はH15年に3回とのこと。現場の教職員や保護者、専門医など幅広い検討が必要。6%という数字も出てきたところで早急に進めるように要望しておく。