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本会議討論

2002年度一般会計予算案反対討論

No.4

日本共産党市会議員団は、2002年度一般会計予算案、国民健康保険事業特別会計予算案、児童館条例の一部改正など、予算関連議案の10件には反対の立場を表明し、その他の案件には賛成の立場を表明していますので、日本共産党市会議員団を代表いたしまして、討論いたします。議第28号については、後で同僚議員が討論いたします。
 今回提案されています来年度予算案は、昨年の非常事態宣言の基、超緊縮型予算、選択と集中の重点配分型予算にしたということでしたが、市民生活優先とは言えない相変わらず、開発型、借金依存財政となっていることをまず指摘するものです。次に本予算に反対する理由を4点申し上げます。

 本予算に反対する第一の理由は市内高速道路など無駄な不要不急の大型公共事業の見直しにはまったく手をつけず、市民や職員にのみ犠牲を押し付けるものになっているからです。
 破綻が明らかになった市内高速道路建設の出資金だけでも10億8000万円を計上しています。そして高速道路建設にしがみつき、関連とりつけ道路の整備や、迎賓館建設、過大な大型雨水下水道管の建設など、大型公共事業はまったく見直しがありません。これら財政危機の真の原因にメスを入れず、市民や職員のみを犠牲にする予算となっていることが問題です。
 職員と人件費の削減による35億円の「政令市で初めての本給カット」については、「苦渋の選択」と言いつつも、市民の暮らしや福祉にどう反映させたのかは語れず、職員の本給カットへの思いを踏みにじっています。公共事業への任意の繰り出し金の休止による25億円については、とくに下水道の汚水資本費補助金カットは財政計画2年目ですでに破綻し、計画中の復活も確約できず、「次期財政計画まで補填せず」と明言していることは問題です。さらに「内部の経営努力で吸収してもらう」とし、行き着く先は公共料金の値上げとなります。
 新規事業では、55億円を浮かせたとしていますが、特別養護老人ホームの待機者は2033人と発表されているのに、来年度の特別養護老人ホームの新規事業は実質ゼロで、京都市の介護施策の大きな遅れとなります。学童保育・児童館の建設は、週完全5日制実施で、必要性が高まっているのにもかかわらず、市の建設目標は、年2館の建設で、達成されない状況にあります。その上に学童保育利用料徴収の開始は施設、職員体制、指導処遇などいずれも極めて不十分な中での負担の押し付けで、納得のいくものではありません。明確な福祉と市民サービスの後退です。さらに、議第42号の市立高等学校授業料徴収の値上げ案は、深刻な不況のもとで市民負担を増やすものです。
 2年間の緊急対策の根拠とその後の展望については、「2年先のことは世界の経済学者でも予測できない」とまったく無責任な姿勢で、展望を示せないところに大きな問題があります。

 本予算に反対する第二の理由は、深刻な不況対策、中小企業対策についても不十分であり、経済政策に極めて乏しいことからです。
 中小業者・伝統産業対策は過去最高の2年連続400件の倒産に見舞われているのに、前年度の同額の融資枠を計上したに過ぎずません。南部高度集積地区における呼び込み型開発に力を入れ、助成制度が提出されましたが、南部開発誘導でしかなく、生きた施策になっていません。加えて伝統産業、地場産業対策等の具体策は示されず、市独自の雇用対策もなく、国の特別雇用対策に留まっています。「市税収入の後退」を嘆くばかりで、担税力向上対策についても無策といわざるを得ません。

 本予算に反対する第三の理由は、深刻となる市財政構造と借金依存の財政運営に対して無策・無反省であるからです。
 14年度臨時財政対策債170億円は前年度比2.2倍の発行額に膨張しています。当局は「後年度で、全額交付税措置され、地方負担にならない」としていますが、借金返済の先送りにすぎません。14年度財政健全化債103億円は、財政「健全化」の名の下に、市民負担と市民・職員犠牲の上に建設事業を進めるものです。さらに、償還財源は自治体独自に捻出するものであり、従来の「有利な起債」論と矛盾しています。元利償還額は過去最大、一般会計に占める比率も13.7%と最大となり、いっそう、財政硬直化が進みます。その内、地方交付税で措置される額329億円は、交付税総額の33%を占め交付税硬直化はますます進行します。市債残高は1兆97億円となり、市民一人あたりの負担額は69万円に膨れ上がっています。府の借金48万円をたすと、市民一人あたり117万円の負担を背負わされていることになります。しかも、政令市の中では中位で、心配ないと危機感を持っていないことは大きな問題です。

 本予算に反対する第四の理由は、同和行政は終結といいながら、「一般施策への移行」の名で継続していることです。
 部落解放同盟の企画推進委員会との協議は継続していくことや、同和奨学金と自立促進援助金については継続と経過措置を設定していること、改良住宅の空家募集については三年計画として先送りされるなど、終結とは言いがたい状態です。終結の期日は決まっていたことで、経過措置や対策などは事前にやっておくべきことです。それを正当化していることや一般施策として継続していることは、名ばかりの終結といわざるを得ません。奨学金は、不況がつづく今日において、多くの高校生が必要としています。同和地域に限定していることこそが、市民への不公平感を増すものです。同和行政終結後の予算として、市会決議に反するもので、認めることはできません。
 以上、無駄と浪費の開発型公共事業や、終結予定の同和関連事業に思い切ってメスを入れること、市民の暮らしと福祉・中小業者の営業を応援する予算編成をおこなうことをつよく求めるものです。
 次にわが党市会議員団は昨年11月に予算編成にかかわる要求書を提出しましたが、この中で厳しい財政の中でも可能な限り市民の目線にたった予算編成がなされるよう求めました。ここで、あらためて次の5点にわたってのわが党が求める予算組替えの基本点をお示しいたします。
 一つ目は「財政非常事態宣言」にともなう緊急対策による市職員と市民への新たな負担増に関わる予算を凍結し、消滅したものを復活すること。
 二つ目は子どもや高齢者、障害者が安心して生活できるよう、待機者をゼロにするための、介護施設や保育所、児童館、障害者施設などの福祉施設整備と福祉サービスの充実を図ること。週完全5日制にともなう児童・生徒の教育の充実や支援に重点をおいた予算に組替えること。
 三つ目は中小企業・地場産業の営業を支援し、仕事起こしによる雇用の確保と官公需の地元発注をすすめ、生活を守る予算にすること。バリヤフリー住宅改修制度の創設、中小企業向け官公需を増やし、地元中小零細企業の仕事確保、借り換え融資制度をはじめ制度融資の改善による中小企業への金融支援を予算化すること。
 四つ目は無駄と不要不急の高速道路関連予算の出資金10億8000万円、迎賓館建設関連予算等は削除し、公共事業の見直しをすること。そして、市民生活に密着した事業を優先し、ものづくりの街とCOP3開催都市にふさわしい地域経済の活性化をすすめる予算に組替えること。同和関係進路支援事業の奨学金他6億4000万円は凍結するべきです。
 五つ目はこれらを通じて、市民と法人の担税力を高め税収入不足を解決し、市債に依存した市財政の健全化を図ることです。
 以上が、今議会の中心議題である予算案に対するわが党の基本的見解ですが、最後にこうした地方財政危機ともに市民生活の危機を発生させた大きな要因となっている現在の国政・府政のあり方も重大です。
 小泉首相すすめる構造改革は国民に大変な痛みを押しつけるものです。不良債権最終処理を強行するならば、新たに京都府内で5000件の企業が倒産すると専門家から言われています。従業員・家族の生活が脅かされます。健康保険制度の改悪では、サラリーマンの負担が2割から3割に、高齢者の負担が大幅に増大することにより、受診抑制がかかり、国民の命が守られない状況となります。診療報酬の引き下げでは医療機関にとっても死活問題です。医師会の先生方も反対の声をあげるのも当前です。しかし、京都市がこのような状況においても明確に制度改悪に対して、反対の態度を示さないのは残念です。国民健康保険、介護保険とも、市民の暮らしの実態から、保険料を上げることは断じてできるものではありません。解決するには国庫負担を増やすしかありません。強く要望すべきです。
 さらに、府市協調を常々から強調されますが、府の冷たい行財政が市民の暮らしを直撃していることも問題です。国保への府補助金の低さ、在宅介護激励金の廃止は真っ先に京都府が廃止し、京都市の廃止にもつながりました。乳幼児医療費の助成制度化の拡充問題では、府内で25の市町村が小学校にあがるまで実施され、全国的にも32の都道府県が小学校にあがるまで助成されているのに、京都府は拡充の方針を示していません。30人学級の実現に向けても、切実な要求であり、全国的な流れになっているのに、まだ一部であるとし、やる気のない姿勢はあらためるべきです。京都府が国のコピー行政となっている状況で、京都市も、そこに巻き込まれることなく、今こそ地方自治体の責務を発揮する市政への転換が必要です。市民の視線に立ち戻った予算に組替えることを強く求め、予算の審議の討論と致します。