2004年11月市会 「混合診療解禁の慎重な審議を求める意見書」
No.7
私は、日本共産党市会議員団を代表し、「混合診療解禁の慎重審議を求める意見書」について、賛成討論を行います。
混合診療が解禁されると、自費医療費の増大を招き、利潤追求を目的とした私的医療保険の参入を許すことになります。さらに、公的医療保険が縮小・形骸化され、現在の国民皆保険制度の不平等を引き起こします。これは財界がかねがねねらっていたもので、行き着く先は、市場原理が強くはたらく不平等な「アメリカ型医療」です。
「解禁」を強く主張している内閣府の規制改革・民間開放推進室の室員二十七人のうち、十四人が民間企業からの出向者です。オリックス、セコムなど、公的保険外の治療費を対象とする保険商品を売り出す保険会社からの出向者が中心を占めていることからも、「混合診療の解禁」の真の狙いが、保険会社の利益拡大にあることも十分考えられます。
日本医師会は「混合診療の容認に反対します」とアピールを発表し、「社会保障を充実させることは、国の社会的使命であることが日本国憲法にも規定されています。国が果たすべき責任を放棄し、お金の有無で健康や生命が左右されるようなことがあってはなりません。」と警告しています。
こういった動きの中で、政府は14日、混合診療の全面解禁を見送る方針を固めました。当然であります。しかし、一部の高度先進医療などに限って自由診療との併用を認めている現行の特定療養費制度について、政府の規制改革・民間開放推進会議のメンバーを加えた新たな協議機関を設置し、制度を大幅に見直す方向で検討に入るとのことです。規制改革会議の議長は記者会見で、「厚労省と主張にはかなりの隔たりがあるが、来年度、再来年度に向けて、われわれの主張の方向へ厚労省が動くかが、カギになる」と述べています。これらの発言からも、混合診療への危険性は残されており、今後も国民にとって、不平等な医療の道を開く混合診療については、慎重な審議の上、解禁を凍結することを求め、賛成討論といたします。