2006年5月市会 京都市市税条例改正に反対する討論
No.12
日本共産党市会議員団は、議第67号市税条例の一部改正には反対し、報第1号には承認しないとの態度を表明していますので、その理由を述べます。
二つの議案はいずれも、2006年度地方税法「改正」に伴い条例を規定整備するものですが、「改正」の中心は定率減税の廃止や固定資産税の負担調整措置の見直し、約3兆円の税源移譲による税率構造の見直し等となっています。
市民に負担を強いるもの
反対の第一の理由は、昨年度に引き続き、市民に負担を強いるものだからです。
まず定率減税の廃止です。現行の個人住民税所得割額の7.5%は2006年度で半減され、2007年度で廃止されます。平年度の増税額は27億円と見込まれています。市民の暮らしの実態は厳しさを増しています。国会の審議では増税対象者のうち、サラリーマンはおよそ九割を占め、全廃による負担は、年収500万円の四人家族で3万5千円の増税になることが明らかになりました。そもそも、自民党の武部幹事長は昨年の総選挙で「政府税調のサラリーマン増税ありきを自民党は『許さない!』」とのべていました。「サラリーマン増税をしない」とした与党みずからの選挙公約に反するものです。
次に固定資産税の負担調整措置の見直しについてです。1994年の評価替えで大幅な負担増となる土地の7割評価が実施されましたが、その経過措置として、徐々に評価額と課税標準額との格差を埋めていくということで「負担調整措置」が行われてきました。それを簡素化し、均等化を促進するとして、今回の措置がとられました。全体としては、評価変えにより、減税となりますが、経過措置見直しの対象となるところでは、毎年5%以上の連続した課税標準額の引き上げとなり、都市計画税にも連動するもので、地代や家賃への影響も心配されるところです。
税源移譲による所得税と住民税の税率構造の見直しについては、税負担を増加させない措置がとられましたが、保育料や介護保険料、敬老乗車証など、住民税に連動するため、自動的に値上げとなるものです。
大企業優遇措置は延長
第二の理由は、庶民には増税の一方で、大企業優遇措置が盛り込まれているからです。PFI事業者や大手通信事業者に対する優遇措置は延長しています。不動産取得特別税では、土地と住宅取得税の税率引き下げ措置を延長するなど、担税力のあるものに優遇措置をし続けるやり方は問題です。市民生活をさらに困難にする税制を抜本的にあらためるべきです。
政府は引き続き、大幅な交付税の削減を押し付けようとしています。市民にも自治体にもさらなる負担増の方向は明らかになっています。市民生活と景気回復に深刻な打撃を与える条例改正には反対することを重ねて申し上げ討論とします。